京都大学のハイセンスな学祭スローガン
今回は、京都大学のハイセンスな学祭スローガンの歴史を紹介していこうと思います。
京都大学は、卒業式のコスプレが有名で、ニュースでもやっているので、それについては知っている人が多いと思います。
ちなみに余談ですが、京都大学の卒業式は全員がコスプレしていると勘違いしている人がたまにいますが、コスプレをしているのは全体の1割くらいです。
卒業生が3000人だとしたら、自分の感覚だと300人もいないような気がするので、1割もいないと思います。
京都大学の卒業式は、東山にあるみやこめっせというどデカイ会場で行われるのですが、その中でコスプレをしているのは、最前列の人たちだけです。
それ以外の人たちは、全員真面目にスーツを着ています。
「京大出身です」と言うたびに、「卒業式は何のコスプレしたの?」と毎回聞かれるのは京大あるあるで対応がめんどくさいです。
京都大学は卒業式だけではなく、学生と機動隊が戦争していたり、熊野寮の人間が時計台をよじ登って占拠したりと、他にも色々ユニークなことはあります。
そのユニークなものの中の一つに、自分も好きなのですが、学祭のスローガンがあります。
京都大学の学祭は11月に開催されるので「11月祭(November Festival:NF)」と呼ばれます。
皆さんは、京都大学のスローガンが他のクソ真面目なスローガンを掲げている大学と一線を画しているのを知っていますか?
今回は、京都大学のハイセンスな学祭スローガンを、かなり過去に遡りながら紹介していきたいと思います。
1959年〜1981年
京都大学の学祭は、遡っていくと1959年に第一回が開催されています。
第二次世界大戦が終わって、朝鮮戦争による特需景気が発生して、日本の景気が回復し始めた頃から、学祭が開催されるようになりました。
今となっては、京大の学祭スローガンはふざけ倒していますが、第一回からずっとふざけ倒しているわけではなく、1981年に開催される第23回まではかなりお堅いスローガンになっています。
この第一回から第23回までの、学祭スローガンをざっと紹介します。
- 1959年 – 戦後派意識の解明
- 1960年 – 独占資本主義社会におけるマゾヒズムとサディズムの意識
- 1961年 – 仮眠の季節における僕たちのあいさつ
- 1962年 – 故郷喪失の時代と僕ら
- 1963年 – 噛む時には言葉を考えるな
- 1964年 – ああ自然死-このナチュラルなもの
- 1965年 – 新しい歴史は僕らの手で せまりくる嵐のなか わだつみの声をのりこえて 真実を求め ともに考え前進しよう 真の学問文化を追求するなかで
- 1966年 – 青年よ その眸で真実を見よ
- 1967年 – のばそう大学に新しい芽を 築け展がれ人類の知恵 鳴らせ高らかに創造のつのぶえ おしよせる戦火の嵐ふきとばし 進め固めて反戦自由の道
- 1968年 – 思索から連帯へ!終章。 永訣の朝-B52。君たちの祖国70年6月23日 友よ 自己と日本解放の日は近い
- 1969年 – みずからの手で 新しい大学の創造を 豊かな文化の創造を 京大からの真実の声を そして連帯を 日本の夜明けめざして……
- 1970年 – 歴史の試練に応えんとする我ら 失うまい 奔流の中で科学者の目を! いつわりの孤高に別れをつげ 人民の連帯の息吹をだきしめよう 君のその精悍の腕でがっしりと
- 1971年 – 闇を裂き 燃えあがる松明 凝視せよ! 今この時 虚飾にまみれた城郭は浮かびあがった 打ち砕け! 友よ湧きおこる怒りをこめて……
- 1972年 – 嵐を突き 燃え拡がる変革の炎 歴史に問んとする我ら 研ぎすませ! 理性の目 生きた思考 創ろう! 新しい大学そして科学
- 1973年 – 創造の火を! 連帯の輪を! 今こそ君が手に反戦・自由の歌
- 1974年 – 今、矛盾の中で叫びが―さて君はどうする 人間不在の危機的現実 その根源と背景
- 1975年 – 流れの中 動かざるものを求めて
- 1976年 – 燃やそう! 新しい文化の炎を 研ぎ澄まそう!若き知性を 学術文化の奔流よ築け!若者の未来を!
- 1977年 – 明日に生きる我ら 未来を信じて突き進め 創れ 学生の心を 築け 学生の文化を
- 1978年 – 振りかえれ人類の歴史を みつめよう青年の未来を もどすな歴史の歯車 我らの文化は我らの手で
- 1979年 – 今、新しい時代に立ち向かう仲間たちよ 数百年を内蔵する思想を持とうではないか
- 1980年 – 友よ! この変革のとき 時代の胎動に耳をすまし 共に奏でよう 希望の交響楽を
- 1981年 – 今、戦争と平和の対峙の時 80年代の行く手を示す羅針盤を我らの手に
このような感じで、第23回までは、昭和らしいお堅いスローガンが並んでます。
1982年〜2019年
ただ、何があったのかはわかりませんが、1982年の第24回から少しずつ京都大学がふざけ出します。
高度経済成長期を経て、日本全体がかなりいい景気になったことで、ちょっとずつふざけたくなったんですかね(笑)
それでは、ここから1982年から2019年までの学祭スローガンを紹介していきます。
ふざけ具合が少しずつエスカレートしていく様子をお楽しみください。
- 1982年 – 草の根も 花も咲いたら ひざまずき ひろひとおがんで むせび泣く 人は昔にゃ戻れないピーピーヒャララ ピーヒャララ
- 1983年(第25回) – 万声一京 極祭色 騒がぬ民に 盛りなし
- 1984年(第26回) – 海を、荒れた海を見つめながら 彼女は呟いた「わたしは誰?」
- 1985年(第27回) – もうすぐきっと冬になる 騒ぐんだったら 今のうち
- 1986年(第28回) – えっせん あーす げげっせん よんせん はっせん
- 1983年(第25回) – 万声一京 極祭色 騒がぬ民に 盛りなし
- 1984年(第26回) – 海を、荒れた海を見つめながら 彼女は呟いた 「わたしは誰?」
- 1985年(第27回) – もうすぐきっと冬になる 騒ぐんだったら 今のうち
- 1986年(第28回) – えっせん あーす げげっせん よんせん はっせん
- 1987年 – 白い乳房の上の11月祭
- 1988年 – 裏からのぞけば 見えてくる
- 1989年 – 堕落への誘い
- 1990年 – ……そして創造-草の根からのルネッサンス
- 1991年 – ヤルハ粋狂、 ヤラヌハ卑怯
- 1992年 – 人が右なら 私は左
- 1993年 – 花も実もある 根も葉もない
- 1994年 – 古今東西 有実無題 若気至りて無限大
- 1995年 – 我輩は京大生である 理性はもうない
- 1996年 – 知と痴の融合
- 1997年 – 狂うは一時の恥、狂わぬは一生の恥
- 1998年 – 堕落の道も一歩より
- 1999年 – 素晴らしき無駄なエネルギー
- 2000年 – 無人島ダンス
- 2001年 – それはそれ これはこれ
- 2002年 – 総長! 京都を占拠致しました!
- 2003年 – やっぱ京大やし。
- 2004年 – 倒れる時は前のめり
- 2005年 – せっかくだから
- 2006年 – 溢れる才能の無駄使い
- 2007年 – 満喫!モラトリアム。
- 2008年 – 単位より大切ななにかを求めて
- 2009年 – 失った常識のかわりに
- 2010年 – 仕分けできないムダがある
- 2011年 – 年に一度の計画発電
- 2012年 – NFって、出席点ありますか?
- 2013年 – 京大を、取り戻す。大学の理想、形を物語るのは、学生であります。
- 2014年 – 「 」
- 2015年-「ばっかお前・・・俺がついてるだろ!」
- 2016年-「ぽきたw 魔剤ンゴ!? ありえん良さみが深いw 京大からのNFで優勝せえへん? そり!そりすぎてソリになったw や、漏れのモタクと化したことのNASAそりでわ、無限に練りをしまつ ぽやしみ~」
- 2017年-「戦争に加担した大学から平和を希求する大学へ
軍事研究するヒマがあったら、みんなで肩組んで騒ごうぜ!」- 2018年-「(NFテーマは当局により撤去されました)」
- 2019年-「ふざけんな、ふざけろよ。」
もう最後の方は何でもありになってますよね(笑)
やっぱりふざけ倒してこそ、京大らしいですよね。
記事を書いている自分も笑いながら執筆しています(笑)。
まさに自由の学風。
今回紹介したような学祭テーマを平気で許可する大学側にかなり好感を持てますよね。
スローガンだけではなく、京大の学祭自体もクセのある面白い出し物やイベントがあったりして、かなり楽しいです。
大学の学祭は、もちろん誰でも参加することができるので、京都にいく機会があれば、ぜひ足を運んでみてください^^
(追加していただいた方だけに配布する限定動画もございます🎁)