結論
【ハイライト】
- (ハイライト戦略1)計画を書き出す
- (ハイライト戦略2)雑事はまとめる
- (ハイライト戦略3)一定期間は1つのハイライトに集中する
- (レーザー戦略1)朝方人間になる
- (レーザー戦略2)SNSのアカウントからログアウトする
- (レーザー戦略3)テレビのニュースは観ない
- (レーザー戦略4)テレビを隅っこに追いやる
- (チャージ戦略1)毎日運動する
- (チャージ戦略2)デザートが欲しければダークチョコレートにする
- (チャージ戦略3)緑茶でエネルギーをキープする
- (チャージ戦略4)気軽に瞑想する
- (チャージ戦略5)すきあらば仮眠する
『時間術大全』の概要
社会人の方は、毎日朝7時には起きて会社まで通勤し、8時間ほど勤務して、また電車に乗って夜の8時頃に帰宅するという「多忙地獄」に陥っている。
そして帰宅すると、テレビやYouTube・Twitter・InstagramのようなSNS、スマホゲームなど、自分の欲を満たしてくれる「無限の泉」が待っている。
この多忙地獄と無限の泉によって、ほとんどの人は丸一日何も手をつけられずに終わっていく日々が続いていく。
そんな1日を後から振り返ってみて「今日は一体何をしていたんだろうか」と思うことはありませんか?
始めてみたい趣味、チャレンジしてみたいことが山ほどあるのに、いつかやろうと思えど、そのいつかは永遠に訪れず、白昼夢にふけることはありませんか?
『時間術大全』は、そんなクレイジーなほどに忙しい毎日を過ごしている人の、忙しさをペースダウンさせる方法、自分がやりたいと思っていることのために時間を作る方法を紹介する本です。
本書は、仕事の作業効率を高めるとか、やるべきことを早く終わらせる方法とか、生活の一部をアウトソーシングすると言う話ではありません。
現状の生活の中において、「家族と過ごす」「語学をマスターする」「副業を始める」「ボランティア活動をする」「小説を書く」「マリオカートを極める」などのために、今日から誰でも多くの時間を捻出することができる目から鱗の工夫が書かれています。
それでは、早速中身の解説に移っていきます。
「4ステップ」を毎日繰り返すだけ
GoogleとYouTubeの社員が研究し尽くし結果、時間を創り出すためには、簡単な「4ステップ」を毎日繰り返すだけだと言っています。
ステップ1は、その日に優先する「ハイライト」を決める。
ステップ2で、特別な時間術を使って、ハイライトにレーザー光線のように集中し続ける(以下、「レーザー」と呼びます)。
ステップ3で、時間と注意力を1日中コントロールするための「エネルギーチャージ」を行う。
ステップ4で、1日を振り返って簡単なメモを作成する(「チューニング」)。
本書では、それぞれのステップについて、「どのようにしてハイライトを決めるのか」「どのようにして数多の誘惑に打ち勝ってレーザーするのか」「どのようなエネルギーチャージがよいのか」「どのように毎日チューニングすればよいのか」が、87個の時間術と題して紹介されています。
今回は、87個も紹介してると大変なので、それぞれのステップにおいて効果が高いと思うもの、自分が実践しているものをそれぞれ厳選していきます。
ハイライト:毎日の「最優先事項」を選ぶ
最初のステップである「ハイライト」では、何のために時間を作るのかを決めます。
大事な仕事のプレゼンテーションでもいいですし、家庭での活動(夕飯作り、ガーデンイング、子供と遊ぶ)でもいいですし、読書でもいい。
「今日のハイライトは何にしよう」と考えるだけで、他人の優先事項に振り回されまいと、前向きで積極的な気持ちになれます。
以下に「緊急性」「満足感」「喜び」を基準にしながら、ハイライトを有効に選択するための「ハイライト戦略」を厳選して説明していきます。
計画を書き出す
計画を書き出すことには、魔法のような力があり書いたことは実現する可能性は高まります。
計画を書き出す先としては、スマホのメモアプリでも、イベントのカレンダーに書き込んでもいいです。
ただ、その中でも著者達は「付箋(ふせん)」を使うといいます。
付箋は手に入れやすく、使い勝手もいいし、バッテリーもソフトウェアの更新も不要です。
ラップトップやスマホ、冷蔵庫、デスクなどに貼り付けて「今日時間を作ってやりたい大事なこと」をいつもさりげなく思い出せるようにするのが効果的だと言います。
ただ、大事なのは自分のライフスタイルに合った方法を取ることです。
自分の場合はTwitter(@YUJI_MZTN)で、多くの人がそうしているように「#今日の積み上げ」で、優先順位をつけながらタスク管理をしています。
雑事はまとめる
基本的には、1日の中で最も重要なハイライトに集中する必要があります。
その中で、他のタスクが多く山積していると、精神的にハイライトに集中できなくなります。
そんな時に著者がおすすめするのは、細かい雑事も全てまとめて1つの大きなハイライトとして処理してしまうことです。
細かい雑事とは例えば「メールの処理」「何かしらの電話対応」「買い物」などです。
このようなものを、複数日に渡って処理するよりも、大きなタスクとして1日で処理してしまった方が効率が良く、満足感も高いと筆者は言います。
思い返してみれば、自分も無意識でしたが、この方法を採用していました。
1つ1つが小さなタスクでも、全てを処理し終わった頃には、気を散らされる雑事が自分の身の回りから一気になくなり、確かにかなり満足感は高いです。
そして、ハイライトとして集中的に取り組んでいるため、確かにかなり効率よく片付けられている感じはします。
一定期間は1つのハイライトだけに集中する
何かタスクを始めるたびに、脳はコンピュータが起動するときのように、関連情報やルール、プロセスなどをワーキングメモリ(作業記憶)に読み込みます。
この「起動」には時間がかかり、他のタスクへと離脱してまたこのタスクに戻ってくるたびに、いちいち「起動」をやり直さなくてはいけません。
そのため、複数のタスクを掛け持ちして、それぞれを数ヶ月間取り組むよりも、1つのタスクに短期的に集中して取り組み、終わったら次のタスクへ取り組むといったスタイルの方が、格段に効率はよくなります。
何かのタスクを行うときは、同じハイライトに短期で集中的に取り組み、脳のコンピュータを走らせ続けるようにしましょう。
レーザー:気を散らすものを撃退する
鳴り止むことがないメールやSNSの通知、ニュース速報などの集中力を断ち切るようなものは、日常の中で溢れており、この先もなくなることはありません。
GoogleやFacebook、Twitter、Apple、Netflixの天才たちは、私たちの日常において、時間を1秒でも奪おうと人間の欲に根ざしたあらゆる工夫を行ってきます。
そのような私たちの気を散らすものに負けないための、本書が紹介する「レーザー戦略」を厳選して説明していきます。
朝型人間になる
起床後の2〜3時間は脳が1日の中で最も活発に活動しているゴールデンタイムです。
朝早く起きて、自分のタスクに集中的に取り組むのは、最も効果的なのは説明するまでもないでしょう。
それよりも問題なのは、朝型人間が特なのは頭ではわかっているが、なかなか起きることができないということです。
そこで、本書で紹介されていた早起きするコツは
- 起床後、明かりをすぐにつけること
- コーヒーを飲み、カフェインを摂取する
- 用事を作っておく
です。
❶については、光の覚醒効果を利用したものです。人間は明るいと目が覚め、暗いと眠くなるようになっています。
そのため、目が覚めたらすぐに部屋の電気をつけて、窓を開け太陽の光を浴びましょう。
❷については、カフェインを摂ると目が覚めるの当然として、コーヒーを作る一手間の忙しさが、テレビやSNSを見る時間から解放してくれます。
❸については、早起きをするための本質的な部分であり、そもそも朝早く起きても、用事がなければ体を起こすことなんてできるわけがありません。
何でもいいので、朝の日課となるものを見つけて用事を作ってしまいましょう。
自分の場合は、起床してから会社が始まるまでの時間で、ブログを1記事執筆するという習慣ができているので、朝早く起きるモチベーションがあるわけです。
SNSのアカウントからログアウトする
メールやFacebook、Twitter、Instagramを使用した後は、毎回ログアウトするようにすると、次に使用するときにまたログインを求められて面倒なので、SNSから離れられる可能性が高まります。
さらに、SNSの通知を合わせてオフにしておくとよいでしょう。
また、もっと言うなれば、スマホのホーム画面を空っぽにしておくのがいいと筆者は言います。
多くの皆さんは、スマホを開いた瞬間にアクセスしやすいように、SNSを含めた自分のよく使うアプリをホーム画面に集めていると思います。
そこで、スマホのホーム画面を空っぽにしておくことで、スマホを開いた瞬間に、ほんの一瞬だけ静寂の時間が訪れます。
この一瞬の静寂の時間に、「自分は本当に今スマホに気を散らされてもいいのか」と自問することができます。
とにかく、無限の泉であるSNSに時間を奪われすぎないようにすることです。
テレビのニュースは見ない
テレビのニュースほど、時間を無駄にするものはありません。
キャスターの喋りやくどくどしいニュース報道、CM、無意味な音の羅列が無限ループで繰り返されます。
しかも、ほとんどのニュースはその日に起こった重要な出来事を簡潔に伝えるのではなく、不安を掻き立てるニュースでわざと視聴者を同様させ、番組を見続けるように設計しています。
テレビのニュースなんて見なくても、スマホでYahoo!ニュースを見れば移動時間に効率的に情報を収集できます。
テレビを端っこに追いやる
もっというと、テレビ自体を観なくてもいいです。
普通の家では、デフォルトでテレビは最も視聴しやすい位置に配置されていますが、これをあえてかなり観にくい場所に配置してしまう、または押入れに突っ込んでしまうのです。
そうすれば、これまでよりも劇的にテレビを視聴する習慣が薄れていき、最終的にはテレビなしでいきていけるでしょう。
かくいう自分も以前までテレビが大好きでしたが、テレビを断捨離してからというものの時間をかなり捻出できました。
あれだけ好きだったテレビがなくなっても、すぐに慣れるし、あまり何とも思わないものです。
皆さんも、もし今テレビに時間を奪われているのならぜひ試してみて下さい。
チャージ:体を使って「脳を充電」する
レーザー光線のように集中するにあたり、体をケアし、脳にエネルギーを供給する必要があります。
体にエネルギーを充電するための「仮眠や運動、カフェインの戦略的な摂取方法」などの「チャージ戦略」を説明していきます。
毎日運動する
バッテリーを充電するには、体を動かすことが一番です。
ただ、やりすぎはよくはありません。
そのため、筆者が提案しているのは「20分ほどの運動」「毎日継続する」の2つです。
運動の最も重要な効果である「認知機能の向上」「気分の向上」は、たった20分間の運動で得られることが研究成果から分かっています。
上記の認知機能の向上と気分の向上の効果は丸一日持続するため、毎日いい気分で過ごすためには、毎日運動をする必要があります。
一駅二駅遠い駅まで歩いてから電車に乗るもでもいいですし、電車をやめて自転車で通勤・通学してみる、あえて階段を使ってみるなど、自分のライフスタイルに合わせて、毎日20分の運動を習慣化してみて下さい。
デザートが欲しくなったらダークチョコレート
糖分の摂りすぎはシュガーハイ(糖分による興奮状態)を招き、シュガーハイはシュガークラッシュ(血糖値の急降下)を招きます。
高いエネルギーレベルを保つためには、理想的にはおやつは避けるべきですが、ひとときの楽しみであるデザートをやめることはなかなか難しいものです。
そこで、我慢するのではなく、デザートのデフォルトを変えてしまって、ダークチョコレート(乳製品を含まない、カカオ分が高いチョコレート)に限って、食べても良いことにしましょう。
ダークチョコレートは、ほとんどのスイーツよりも糖分が少なく、シュガークラッシュを起こしにくいです。
また、ダークチョコレートに健康効果があることが多くの研究で示されている上に、コクがあって美味しいのでたくさん食べなくても欲求は満たされるでしょう。
緑茶でエネルギーをキープする
1日中安定したエネルギーレベルを保つためには、多量のカフェインを一気に摂取するよりも、少量ずつを頻繁に摂取する方が効果があります。
そこで、筆者がオススメするのは「緑茶」です。
緑茶を日常生活に取り入れることで、カフェイン含有量が多いコーヒーなどの飲料が招くエネルギーの変動を避けつつ、1日中安定したエネルギーを保つことができます。
毎日何となくコンビニや自動販売機で飲み物を買っている人は、どうせなら緑茶を選んでみて下さい。
気軽に瞑想する
瞑想の効果は多くの研究で証明されており、ストレスを減らし、幸福感を高め、脳を充電し、集中力を高めることができます。
いつも考え事をしていると脳が休む時間がありませんが、瞑想をすると、思考に流される代わりに、静かに自分と向き合いながら、思考を落ち着け、脳を休ませることができます。
瞑想の効果は運動の効果とよく似ており、ワーキングメモリの容量を増やし、集中を持続させる能力を高めることができます。
すきあらば「仮眠」する
仮眠をすると頭が良くなり、昼間に仮眠をとると午後の仕事効率と認知能力が大幅に向上することが研究で示されています。
1994年にNASAが行った実験でも、パイロットに仮眠を取らせたところ、認知能力が34%向上したという結果が出ています。
仕事や学校の休憩時間で、もし何もすることがなければ積極的に仮眠をとりましょう。
チューニング:システムを調整・改善する
最後のステップは、「寝る前にメモをとる」ことです。
何をメモするかどうかは、どの戦略を続けたいか、改善したいか、やめたいかを整理することです。
その日のエネルギーレベルはどうだったのか、ハイライトの時間は作れたのか、その日は何に喜びを感じていたのかを振り返ることが大事だと言います。
この振り返りを繰り返していくと、「習慣と日課」「脳と体」「目標と優先事項」にピッタリ合った毎日のシステムが出来上がっていきます。
この、1日を振り返る「チューニング戦略」について、以下に説明していきます。
毎日を習慣を科学的方法で振り返る
科学的と言っても、何も難しいことではなく以下の4つを順番に行うだけです。
- 何が起こっているのかを「観察」する
- なぜそれが起こっているのかを「推測する」
- 仮説をテストするための「実験」を行う
- 結果を「測定」して仮説が正しいかどうかを判定する
これまで紹介してきた「ハイライト戦略」「レーザ戦略」「チャージ戦略」(本書では87個の戦略が紹介されていますが、本記事ではその一部だけを紹介しています。)のいくつかを実際に実行してみて、効果があったかどうか、自分のライフスタイルにフィットしているかどうかを寝る前に考えてみて下さい。
改善の余地があるなら改善し、そもそも他の戦略の方がいいなら変えてみる。
これの繰り返しで、最終的に最強の生活システムが完成します。
振り返る時に「ハイライトの時間が作れたか」「どれくらい集中できたか」「どれくらいエネルギーがあったのか」をメモして記録していって下さい。
そうすることで、改善の変化が明確になり、効率的に完成形に近づくことができるでしょう。
まとめ
成功のコツは、「選ぶ、試す、繰り返す」ことです。
それぞれの戦略を全て一気に試す必要はありません。
自分が取り組めると思う戦略を選択して、1つずつ試してみてください。
そして、完璧を目指さないことです。
毎日を少しずつ時間デザインして、習慣にすることが最も重要です。
とにかく「これだ!」と思う戦略を続けてみてください。
『時間術大全』には、上記以外でも多くの時間術が紹介されていますので、もし本記事で興味を持った方は、読んでみるのもいいでしょう。
【ハイライト】
- (ハイライト戦略1)計画を書き出す
- (ハイライト戦略2)雑事はまとめる
- (ハイライト戦略3)一定期間は1つのハイライトに集中する
- (レーザー戦略1)朝方人間になる
- (レーザー戦略2)SNSのアカウントからログアウトする
- (レーザー戦略3)テレビのニュースは観ない
- (レーザー戦略4)テレビを隅っこに追いやる
- (チャージ戦略1)毎日運動する
- (チャージ戦略2)デザートが欲しければダークチョコレートにする
- (チャージ戦略3)緑茶でエネルギーをキープする
- (チャージ戦略4)気軽に瞑想する
- (チャージ戦略5)すきあらば仮眠する
今回の内容については以下の動画でも解説しているので、ぜひご覧ください^^