結論
- カタカナ言葉は単純に文字量が多くなる
- カタカナ言葉は意味に広がりが生じてしまう
- カタカナ言葉はそもそも理解できない/分からない人がいる可能性が高い
- カタカナ言葉はわずかであるが日本語に変換するのに時間がかかる
カタカナ言葉はデメリットだらけ?!
会社で働くようになると、先輩や上司がやたらとカタカナ言葉を使ってくることに驚いた経験はありませんか?
学生時代では「スケジュール」や「メリット・デメリット」などのメジャーなカタカナ言葉しか聞いたことがなかったのですが、会社員になってからというもの、「え、それもカタカナでいうの?」と反応してしまう機会が増えました。
例えば、自分が会社にいてよく耳に入ってくるカタカナ言葉には以下のようなものがあります。
- コンセンサス(同意)
- ワークする(機能する)
- フレキシブル(柔軟に)
- モディファイ(修正する)
- フィジビリティ(実現性)
- イニシアティブ(主導権)
- ネゴシエーション(交渉)
皆さんは、これらの意味を一瞬で理解することができましたか?
これ以外にもまだまだたくさんあります。
カタカナ言葉は、上記のように長ったらしくてウザいだけでなく、これから紹介するような理路整然としたデメリットも多くあります。
カタカナ言葉は長ったらしい
カタカナ言葉を使うことのデメリットの1つ目は「文字量が日本語の倍以上になること」です。
先ほど紹介したカタカナ言葉を、以下にもう一度再掲載します。
- コンセンサス(同意)
- ワークする(機能する)
- フレキシブル(柔軟に)
- モディファイ(修正する)
- フィジビリティ(実現性)
- イニシアティブ(主導権)
- ネゴシエーション(交渉)
ここで、カタカナ言葉と日本語を比べてみてください。
カタカナ言葉は、日本語と比べて軽く2倍以上の文字量があります。
こんな長い言葉を頻繁に使っていては、話す側も聞く側も消耗してしまいます。
「交渉」を文字量が2倍もある「ネゴシエーション」といちいち言う理由が全くわかりません。
上記のようなカタカナ言葉を普段使用している人の中で、カッコつけてる以外の理由がもしあれば教えてください。
ぜひ参考にさせていただきます。
カタカナ言葉には意味に広がりが生じてしまう
カタカナ言葉を使うことのデメリットの2つ目は「意味に広がりが生じてしまうこと」です。
日本語の場合、言葉とその意味がほとんどの場合一対一対応であるのに対して、カタカナ言葉の場合は1つの単語に対して非常に多くの意味が存在します。
皆さんも大学受験の時に、英単語帳を開いて1つの単語にたくさんの意味があって、暗記するのに困った記憶があると思います。
例えば、上記で紹介したもののうち「ワーク」という言葉には名詞だけで「仕事」「労働」「作業」「努力」「勉強」「研究」という意味があります。
動詞の場合も同様、多くの意味を持っています。
もし議論中に、この「ワーク」という言葉が出てきたら、私たちは「名詞として使われてるのか、動詞として使われているのか」次に「どの意味で使われているのか」を考えなければいけません。
議論に集中しなければいけないのに、いちいちカッコつけるために曖昧な言葉を使って、相手を混乱させるのです。
打ち合わせや議論では、正しく意思疎通することが大前提であるにも関わらず、なぜわざわざこんな曖昧な言葉を使うのかが理解できません。
カタカナ言葉をそもそも理解できない人もいる
カタカナ言葉を使うことのデメリットの3つ目は「カタカナ言葉をそもそも理解できない人がいること」です。
先ほど並べたカタカナ言葉は、社会人になって何回も使っていれば、だいたい覚えてくるものですが、新入社員に使用すると全く相手が理解できない可能性があります。
おそらく新入社員に向かって「今度のミーティングで使用するプレゼン資料をモディファイしておいて」と指示した場合、「え、何すればいいの?」となると思います。
「ネゴシエーション」という言葉を使った場合、そもそも「ネゴシエーション」にはどのような意味があるかを考えて、その上で文脈から正しい意味を探し出す作業が必要となりますが、これを新入社員が一発でできるとはなかなか思えません。
初めから「交渉」と言えばいいのです。
カタカナ言葉はわずかながら日本語への変換作業が必要となる
カタカナ言葉を使うことのデメリットの4つ目は「日本語への変換にわずかではあるが日本語への変換作業が必要であること」です。
皆さんは大学受験の時に、英語の授業で「英語を日本語に変換して読むのではなく、英語を英語として読めるようになりましょう」と何回も言い聞かされてきたと思いますが、それが全員できるかと言われるとそうではありません。
しかもできていると思っている人でも、英語は母国語ではないので、必ず頭の中で英語から日本語への変換作業が生じています。
つまり、カタカナ言葉を使用して議論や打ち合わせをすると、言葉の意味を誤解しやすくなるだけでなく、余計な脳の処理が大量の発生するのです。
正確にどれくらいこの「英語から日本語への変換作業」に脳が時間を要しているかはわかりませんが、このことは実験して実際に体験してみればよくわかるでしょう。
次の英単語の羅列をみてください。
- コンセンサス
- ワークする
- フレキシブル
- モディファイ
- フィジビリティ
- イニシアティブ
- ネゴシエーション
続けて次の日本語の羅列をみてください
- 同意
- 機能する
- 柔軟に
- 修正する
- 実現性
- 主導権
- 交渉
おそらく英語の方は、全ての意味を理解するのに数秒かかったのに対して、日本語の方は文字を見た瞬間に全ての言葉の意味がわかったと思います。
もっというと、英語の場合は目線が上から下の方に移しながら順番に理解していったと思いますが、日本語の方は全体を俯瞰して一気に全ての意味を理解できると思います。
これだけ母国語とそうではないのとでは、脳の処理速度が違うのです。
まとめ
何かしらメリットがあるからカタカナ言葉を使っているという人はほとんどいないでしょう。
「カタカナ言葉を使っている俺かっこいい」とか「カタカナ言葉を使って議論してる俺たち頭良さそう」とかそんな低レベルなことしかどうせ考えてないと思います。
自分に正直になって、もしそうであるのなら、カタカナ言葉にはデメリットしかないので、今日から使用は控えましょう。
日本語では表現しきれない/できない言葉だけに使うようにしましょう。
ただ、カタカナ言葉を全否定しているわけではありません。
言語はあくまで意思疎通の手段であり、正確に意思疎通することが目的なのです。
もし、正確に意思疎通するために、カタカナ言葉の方が手段としていいのなら使えばいいのです。
ただ、ほとんどの場合日本語を使う方が明らかに正確に意思疎通できることが多いのは事実なので、自分は常日頃から日本語で意思疎通をするように勧めているのです。
最後にもう一度、結論をまとめておきます。
- カタカナ言葉は単純に文字量が多くなる
- カタカナ言葉は意味に広がりが生じてしまう
- カタカナ言葉はそもそも理解できない/分からない人がいる可能性が高い
- カタカナ言葉はわずかであるが日本語に変換するのに時間がかかる
今回の内容については以下の動画でも解説しているので、ぜひご覧ください^^