人生攻略ロードマップ(前編)
最近話題になっている『人生攻略ロードマップ 「個」で自由を手に入れる「10」の独学戦略』を早速読んでみました。
著者は、SNSでも有名な迫佑樹氏です。
20代前半にして年商10億円を稼ぎ出す異端児ですね。
この本を読んでみた感想を一言で言うと、久しぶりにこれは読まないと損すぎるということです。
この本を読んで、自分が思い描いていた道筋がよりはっきりしましたね。
この内容をたった1500円程度で読めるのは、本当にコスパが良すぎるなと思いました。
他の書籍ももちろんそうですが、やはり本というのは人類の叡智ですね^^
本を読まない人間に成功はあり得ないです。
本書では「人生を攻略した状態」を「お金・時間・人間関係などありとあらゆる制限や不安を取り除いた状態」と定義しています。
そして人生を攻略するために、どのようなステップを踏んでいけばよいかが、10のステップでこと細かく説明されています。
本書が示すロードマップは、努力さえすればかなり再現性の高いものになっているなと個人的に感じました。
なぜそう思うかというと、自分自身が今まさにこのロードマップの上を歩いており、間違いなくこのロードマップの手順を踏まないといけないだろうということを身をもって体感しているからです。
前置きがこのへんにしておいて、早速本書の内容を重要なポイントをつまみながら、徹底的に解説していきます。
本書は、久しぶりに良書だなと感じたので、丁寧に記事を書いていきたいところですが、そうすると1記事の分量がかなり多くなってしまうため、本書の紹介は前編と後編に分けていきます。
今回の前編では、著者の今に至るまでの経歴や価値観を中心にまとめていきます。
はじめに
世の中の多くの人、特に日本ではお金や労働に対して、次のような価値観をもっています。
- お金は汗水垂らして稼ぐものだ
- 安定した職業につくのが正解だ
- やりたいことを見つけるのが大事だ
しかし、本書ではこのような価値観を真っ向から否定しています。
- 必ずしも「汗水垂らして」稼ぐ必要はない。ただし、何をするにもお金は必要になる。まずは「経済的不安」をなくすべき
- 「組織に属すること」で安定を得るのではなく「自らのスキル」で安定を確保すべし
- 「やりたいこと」が見つからないのは「やれること」の幅が少ないから。お金や時間の制限を取り払って自由度を高めれば、自然と「やりたいこと」が見つかる
本書の根底には、このような価値観があります。
本書が示す、人生を攻略するロードマップを理解するためには、まずは古き悪しき価値観や風習を全て頭から取っ払う必要があります。
会社から雇われているサラリーマンの状態で、人生を攻略している人はほぼ皆無です。
お金はそれなりにあったとしても、会社に一日8時間以上拘束されてしまいます。
また、人間関係も100%、自分の自由に決めることはできません。
人生を攻略したいなら、幼少期から世間から植えつけられてきた古臭い思考は、今この瞬間から捨ててください。
これが本書を読み進めていくための前提条件になります。
迫佑樹さんの過去
まずは、著者の迫さん自身が、そのような家庭に生まれ、中高大ではどのような生活を送っていたかを簡単にまとめていきます。
迫さんはお金持ちの家に生まれ、徹底的に経営者的思考になるような教育が施されたのかというと全くそうではありません。
彼の両親は典型的な「サラリーマン」と「主婦」であり、ごくごく一般的な家庭で育ちました。
そのような家庭で育ったわけですから、当然多くの人がそう信じるように
- 大都市の大企業で正社員として安定して働くのが正義である
- 必死で働いて年収1000万円を越えるのが大事だ
- 大人というのは、汗水垂らしてながら必死でお金を稼がなければならない
という価値観をもっていました。
謎のプレイヤーとの出会い
この価値観を大きく変えるきっかけとなったのは、中学生の時に参加した、彼の趣味であるオンラインゲームのオフ会でした。
そこにはとにかく様々な人が集まっていました。
その参加者の中に、彼がかねてより気になっていた存在である「謎のプレイヤー」と対面することになります。
この謎のプレイヤーは、毎日18時間以上プレーしており、しかも毎月100万円以上を課金しているような人でした。
大の大人であるはずのこの謎のプレイヤーが、なぜそのようなことができたのかというと、彼は会社から雇われる会社員ではなく、サイト制作やサービス開発を行う会社の経営者だったから。
そして、その謎のプレイヤーはほとんど働くことなく大金を稼いでいるとのことでした。
なぜそんなことができるのかというと、営業の人が仕事を取ってきて、エンジニアが開発を行い、経理の人がお金の管理をしており、自分自身がいなくても仕事が回る仕組みをもっていたからです。
著者は、中学生の時に、この謎のプレイヤーと出会ったことにより、これまでもっていたお金や労働に対する価値観が一気に変わったのでした。
迫氏が重要視する5つの価値観
価値観が大きく変わった今、著者が大事にしている価値観は5つあります。
- 「金銭的に豊かになる」とは、「投資→回収を高速で回す」と同義である
- 自己投資が最もコスパの良い投資である
- セーフティネットを用意しながら攻めるべし
- 勝ち方を知った上で勝てる戦いを繰り返す
- やりたいことよりも、まずはやれることを増やすべし
正直、本書はこの価値観を共有した後に、人生を攻略するロードマップが記されていますが、この価値観さえ具体例とともに頭に入れておけば、本書の90%は読みきったと言っても差し支えないです。
そのため、この5つの価値観については丁寧にまとめていきます。
「金銭的に豊かになる」とは、「投資→回収を高速で回す」と同義である
著者は、駆け出し期に9万円の自己投資を行い、それがまわりまわって、年商10億円に繋がっています。
具体的にどのような「投資」と「回収」を行ったのかというと以下になります。
- (投資1)アルバイトと奨学金で貯めたお金の中から9万円を使って、プログラミングスクールに行き、サイト制作やWebサービスの開発に必要なプログラミングを学ぶ
- (回収1)プログラミングスキルを活かしたアルバイトを探し、時給が1500円になる
- (投資2)時給が高い状態で働き、サイドお金を貯めて、iPhoneのアプリ開発を学べるプログラミングスクールにいく
- (回収2)そこで学んだことを活かして、自分でiPhoneアプリ開発の案件を受注
- (投資3)案件受注で稼いだお金で、機械学習やデータ分析などを学べるプログラミングスクールにいく
- (回収3)そこで学んだ知識を使って、チャットシステムを開発する仕事を取る。仕事の単価は145万円まで高くなる
- (投資4)ブログを使った情報発信スキルを学ぶため、プログラミングで稼いだお金を使ってブログコミュニティに入ったり、コンサルティングを受けたりする
- (回収4)指導を受けたことでブログが軌道に乗り、ブログからの収入だけで月100万円を越えるようになる
- (投資5)ブログとプログラミングばかりで太ったため、40万円を払ってライザップに行く
- (回収5)ライザップやダイエットに関するブログを立ち上げ、2つのブログから合計月150万円の収入が見込める状態を作る
- (投資6)貯金の中から200万円を使って様々なマーケティングやセールスを学ぶための講座を受講したり、教材を購入
- (回収6)そこで学んだマーケティングやセールスの知識を使って、プログラミングのオンライン講座の販売で月に700万円の売り上げを得る
- (投資7)参加費用が100万円以上する経営者向けのコンサルティングを受ける
- (回収7)教育事業を行う会社を作り、プログラミングだけでなく動画編集やデザインなどのITスキルを教える事業を展開して、月に3000万円以上の売り上げを得る
- (投資8)稼いだお金をスタッフの人件費に使い、新しいメディアの制作や、広告費にもお金を投じる
- (回収8)新しいメディアの制作や広告によって新規のお客様が増え、さらに売り上げがアップ
- (投資9)教育事業を行う会社で得た利益を、タピオカ屋さんや美容室の立ち上げなど、初期費用がかかる新規事業の参入に投資する
- (回収9)店舗系の事業からも利益が出るようになり、収入源が増えて安定する
- (投資10)物販事業や通販事業、Webサービスのシステム開発など、少しお金がかかる事業の立ち上げにどんどん投資していく
- (回収10)失敗する事業もありながらも、売り上げ規模・安定感ともに増し、成長を続ける(ここで年間売り上げ10億円突破)
少し長くなりましたが、ただ「投資」→「回収」→「投資」….を高速で繰り返しているだけだと分かります。
上記は著者の例ですが、どのようにサイクルを回したら良いかという具体的な内容を知れば、かなり自分自身のことに落とし込めるはずです。
このサイクルを高速に回す姿勢こそが、お金持ちになる第一歩だと言えます。
お金を超低金利の銀行口座に預けていないで、どんどんと投資に回していきましょう。
自己投資が最もコスパの良い投資である
様々な投資をコストパフォーマンスのよい順番に並べると、以下のようになります。
- 体験や知識を得るための自己投資や知識投資
- 外注費や広告費、新規事業などの事業投資
- 不動産投資や株式投資
不動産投資や株式投資で増やせるお金は年間5%ほどであり、10%も増やすことができれば、それはかなりの成功と言えます。
今人気のS&P500(米国大型株の動向を表す最良の単一尺度として広く認められている株価指数)に長期積み立てをしたとしても、年間で5%ほどが限界です。
一方、事業投資の場合は、年間利回りが数十%〜数百%という、不動産投資や株式投資ではあり得ない利回りを実現することができます。
例えば、本書ではタピオカ屋さんへの事業投資が例に出されています。
この滋賀県にオープンしたタピオカ屋さんは、初期投資に600万円ほどかかりましたが、初月の売り上げは150万円を超えたそうです。
月利に換算すると25%を超えている計算となります。
また、これを年利に換算すると300%という数字となります。
この利回りでお金を増やすことは、不動産投資や株式投資では絶対に不可能です。
この事業投資よりもさらにコスパがいい投資が「自己投資」です。
自己投資の場合は、年間利回りが数百%というレベルではなく、数千%を越えることだって普通にあります。
例えば、著者の場合は、9万円を使ってプログラミングスクールにいき、そこでの学びを活かして、プログラミング関連のアルバイトで年間70万円を稼ぎました。
この場合、年利は「70万円÷9万円=777%」という頭がおかしい数字となります。
これらの事実を知っていれば、お金はまずはどんどんと自己投資に回すべきなのです。
貯金しているだなんてもってのほかです。
貯金をしたところで0.01%の利回りしか得られません。
金利が高いネット銀行でも0.1%ほどしかないです。
ネット上では、たまに金利0.1%はすごいなんていう声がありますが、自己投資をすれば数百%〜数千%の利回りがあるのです。
もはや貯金という選択肢はありません。
貯金は有事のためなど、必要最低限にしましょう。
もし、教材やスクールにお金を払うことにためらっているとしたら、人生を大きく損していることは、もうお分かりだと思います。
自己投資をして、お金を爆発的に増やしましょう。
セーフティネットを用意しながら攻めるべし
ガンガンと自己投資をしたり、事業投資をすることはよいことですが、それらを行う上で、必ずセーフティネットは用意するべしと著者は言います。
- 将来、働けなくなったらどうしよう…
- お金がないと老後が困るかな…
- 将来に向けて貯金をしなきゃ…
このような不安は年商10億円を稼ぐ著者にもあるようです。
いわんや、まだまとまったお金を稼ぐことができない人にとったら、なおさらこのような不安はあるはずです。
このような不安を出来るだけ取り除くために、起こり得るトラブルを想定して、そのトラブルの対処法を複数用意する。
これによって不安のほとんどはコントロールできるようになります。
どういうことかというと、本書では著者の過去の経験が具体例として出されています。
著者は学生時代、プログラマとして働きながら、プログラミングに関するブログを執筆したり、他にもダイエットメディアなどのサイトを複数作ったりして、個人でお金を稼いでいました。
そんな著者には学生時代から、「大学を中退して会社を作る」という目標があり、大学を中退してまでやりたかったのは、スキルアップを支援する大人向けのオンライン教育事業です。
もちろん起業にはリスクはありますが、あらかじめ対応策を用意しておけば、それほどリスクを恐れなくてもよくなります。
具体的には、
- (リスク1)オンライン教育事業がうまくいかず失敗する
- (対応策1)ブログからの収益があるので、とりあえず食べていくことができる
- (リスク2)ブログが読まれなくなり、ブログ収益では食べていけなくなる
- (対応策2)エンジニアとして受託開発の案件を受ければ食べていける
- (リスク3)エンジニアとして受託開発の仕事が取れなくなった
- (対応策3)現在、エンジニアは人手不足であるため、就職して食べていくのは難しいことではない
このように、何かに挑戦するときは、それが失敗したとき、自分を支えてくれる収入源はあるのか、そしてその収入源がなくなったら、次の収入源はあるのかという保険をかけまくることが大事です。
セーフティネットがない状態で、突っ走っていくことは得策ではりません。
独り身で最悪実家に転がり込めるという状態であったとして、セーフティネットを自分で用意した上で、挑戦していくという姿勢そのものが人生において、あらゆることに応用できる重要なことです。
今一度、自分のスキルセットや収入源を整理整頓してみて、自分は今挑戦できる状態にあるのか、それともまずは何かしらの収入源を作る段階にあるのかをしっかりと理解しておきましょう。
勝ち方を知った上で勝てる戦いを繰り返す
敏腕経営者というと「リスクをとりまくってガンガン成長していく」というイメージがあると思いますが、現実はどうではないと著者は言います。
うまくいく経営者ほど、大きなリスクを取らずに、勝てる戦いを繰り返しています。
この「勝ち方を知った上で勝てる戦いを繰り返す」というのは、別に経営者に限った話ではありません。
私たちの身近なことにも同じことが言えるのです。
著者の場合は、プログラミングを学ぼうと決意したとき、「プログラミングスキルを持っている人は市場価値が高いので、アルバイトをするにしても、他のアルバイトをするよりも、時給が高くなることは間違いない」と確信した上で、プログラミングを学びました。
その結果、周りの友人が時給1000円でバイトをする中、著者は時給1500〜3000円でアルバイトをすることに成功します。
また、オンラインスクールを立ち上げる時も、「自分だったら、競合他社が10万〜20万円をとって教えている内容を、7万円で教えて、受講生をより満足させることができる」という確信を持って参入したようです。
美容室を開業した時も「一般的な髪をきる美容室はたくさんあるが、高齢者向けの白髪染めに特化した美容室はまだない。その分野で出店すれば勝てるに違いない」という考えで、白髪染め専門の美容室をオープンし、軌道に乗せています。
著者は様々なことにチャレンジしていますが、勝率が80〜90%以上ある時にのみチャレンジしています。
本記事の前半で、「投資」→「回収」のサイクルを高速で回すことが必要と言いましたが、「投資をしたものの、回収できなかった」となれば、計画が狂ってしまいます。
そのような事態にならないためにも、勝率の高い方を常に選択し、リスクを抑えて規模を大きくしていくことが大事になります。
やりたいことよりも、まずはやれることを増やすべし
この「やりたいことよりも、まずはやれることを増やすべし」という言葉は、本書の中でも自分が一番共感したことの一つです。
世の中のほとんどの人にとって、「やりたいこと」というのは「今、自分ができること」の延長でしかないです。
なぜそのようになるかというと、自分ができることや知識が少なく、見えている世界が狭いと、そもそもその世界の外側にある自分のやりたいことの存在を知ることができないからです。
人は自分が持っている知識の中でしか、物事を想像することができません。
ずっとテレビもラジオもスマホもない状態で、生まれてこのかたずっと離島で育った少年がいたとします。
この少年にアメリカの街並みやアフリカの街並みをイメージしてみてほしいと言ったところで、何も想像することはできないでしょう。
その時点で、その少年から「海外でやりたいこと」の選択肢が完全に奪われているわけです。
海外をそもそも知らないわけですから、海外の地で自分がやりたいことなんて、知るよしがありません。
だからこそ、自分が知っていること、できることの延長線上にしか、自分のやりたいことはないのです。
だとしたら、自分のやりたいことの幅を広げるためには、知識を増やして、自分ができることを増やすしかありません。
実際に自分自身、「できることが増えると、やりたいことが増える」ということを身をもって経験しているので、この言葉に共感したわけです。
例えば、プログラミングを学んで、Web制作ができるようになると、次に誰かをコンサルティングしてあげるとか、案件獲得をサポートしてあげるとか、ディレクションをやってみるなど、どんどんとやりたいことが出てきます。
ただ、これらはWeb制作ができない状態では、到底自分の頭の中に出てこないでしょう。
だからこそ、やりたいことを必死に探すのではなくて、一生懸命勉強して、努力して、できることを増やしていきましょう。
これこそが、自分のやりたいことを見つける最善の策です。
まとめ
本記事では、迫氏の『人生攻略ロードマップ』の前半をまとめていきました。
本書は大変勉強になることが多いので、あまりはしょらずに丁寧に記事を書きたいと思ったのですが、一つの記事にまとめると、数万字になってしまうため、前編と後編に分けていきます。
前編では本書の導入部分を、そして後編では前編で示した価値観を土台として、具体的な「人生を攻略するためのロードマップ」について、まとめていきます。
- 「金銭的に豊かになる」とは、「投資→回収を高速で回す」と同義である
- 自己投資が最もコスパの良い投資である
- セーフティネットを用意しながら攻めるべし
- 勝てる戦いを繰り返す勝てる戦いを繰り返す
- やりたいことよりも、まずはやれることを増やすべし
今回の内容については以下の動画でも解説しているので、ぜひご覧ください^^