結論
- YouTubeはテレビの歴史を10倍の速さでトーレスしていく
- 5Gの普及により動画を視聴する人および動画をアップロードする人が爆発的に増える
- 巨大資本が参入してくることにより、高品質の動画が求められるようになってくる
YouTubeにはこれからどんな未来が待っているの?
YouTubeは2006年にGoogleがベンチャーキャピタルから買収して、その名が知られるようになってきました。
日本での動きはというと、今や大人気YouTuberのヒカキンが2008年に初投稿しています。
ヒカキンは趣味で動画投稿していただけなので、YouTubeがここまで伸びるということを見越していたとは考えられませんが、どちらにせよYouTubeは人の人生を大きく変えるほどの巨大なプラットフォームに成長しています。
最近では、Googleが2019年第4四半期と2019年通年の決算情報にて、初めてYouTube事業の収益を公開しましたが、2017年が81億ドル、2018年が111億ドル、2019年が151億ドルとのことです。
この2017年から2018年にかけて前年度比で30%、2018年から2019年にかけて40%ほど収益が大きくなっており、これらの数字からもいかにYouTubeが巨大な市場になりつつあるかがわかります。
YouTubeはヒカキンやはじめしゃちょーから始まり、今や子供から大人まで多くの人が気軽にアップロードするようになるまで普及してきました。
圧倒的なスピードで市場が広がりつつあるYouTubeですが、これからこのYouTubeの未来はどうなっていくのでしょうか?
これまでも多くの著名人が言及してきたことも参考にしつつ、自分の考察も織り交ぜながらYouTubeの近未来について予想してみたいと思います。
テレビの歴史を10倍の早さでトレースしていく
YouTubeは、その初期段階においてはヒカキンなどのパイオニア達が、キッズ向けの動画を多く出していたように、もともとキッズ向けの動画が主流のプラットフォームでした。
これはテレビの歴史と合致しているのです。
フジテレビは現在では「楽しくなければテレビじゃない」というキャッチコピーを採用していますが、このキャッチコピーが始まったのは1980年代からであって、それ以前は「母と子のためのフジテレビ」というキャッチコピーだったのです。
自分も含めてこのことを知らなかった人は多いのではないでしょうか?
テレビも初期は子供や家族に向けたコンテンツの提供から始まっているのです。
そして、その後1980年代に入り、多くの若者がテレビを観るようになると、テレビの方向性も若者に焦点を当てたものへと移っていき、キャッチコピーも「楽しくなければフジテレビじゃない」に変わったのです。
この頃にテレビ業界で今やお笑いビッグスリーと呼ばれるビートたけし、タモリ、明石家さんまが活躍した「オレたちひょうきん族(フジ)」や、ドリフターズのコントで一世を風靡した「8時だヨ!全員集合(TBS)」が放送されています。
これらのバラエティ番組では、セットを壊したり、やたらと色々なものを爆発させたりと、とにかく当時の若者にウケるようなはちゃめちゃな内容が放送されていました。
このようなテレビの方向転換は、視聴者層における若者の存在が大きくなっていったことと、このようなめちゃくちゃな内容の需要が当時の若者にあり、数字が取れたからです。
一方、この点においてもYouTubeで同じ現象が起きていることがわかります。
つまり、キッズ向けであったヒカキンの次に、若者に需要があるめちゃくちゃなバラエティ番組要素を含んだヒカルやラファエルなどが登場し、一気にブレイクしました。
ランボルギーニを売ったり、過激なドッキリを仕掛けたり、まるで80年代のテレビを見ているようです。
そして、さらに時代が流れるとテレビの世界では、ミリオネアやヘキサゴンなどのクイズ番組が流行し始めました。
つまり、はちゃめちゃなバラエティ番組を見飽きてきた視聴者は次に教育系の番組に興味を持ち始め、クイズ番組の数字が取れ始めたのです。
池上彰さんや、林修さんの番組に需要があるのもこの流れから来ています。
そして一方、YouTubeにおけるクイズ番組といえばQuizKnockが有名であり、ビジネス系ではマナブさんや、マコなり社長、イケハヤさんなどが有名ですよね。
もうお分かりかもしれませんが、テレビが歩んできた30年間の歴史を、YouTubeではたった3年間(2016年〜2019年)でこの変化を辿っているのです。
まさに10倍の早さでトレースしています。
そしてYouTubeにおいて、この教育分野やビジネス分野は執筆時点(2020年2月7日)ではまだまだ発展途上であり、これから成熟期に向かうと思います。
もちろんここから先についてはYouTubeがテレビの先をいくわけですから、未知の領域です。
歴史が繰り返すのか、それとも新しい分野が登場するのかまだ私にもわかりません。
2021年に5Gが本格的始動し、プレイヤーが爆発的に増加する
2020年春頃に日本では5Gが商用化され、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクが5Gのサービスを提供すると発表しています。
ただ、日本を含めて世界でも5Gに関しては、まだまだコンテンツやサービス内容は手探り状態であるのが現状です。
各企業はxR(VRやAR)、センサーなどのIoT機器、人工知能のコンテンツやサービスに注力していますが、正直なところ私たちが5Gサービスの中で最も嬉しいのは容量無制限プランが低下価格で提供されることだと思います。
誰しもVRで楽しみたいという気持ちよりもはるかに、WiFiなしでいつでもどこでも動画が観たいとか、無限にSNSを触っていたいという気持ちの方が強いのではないでしょうか?
そして、この容量無制限プランが提供され始めるのは、荒い予想になりますがだいたい2020年の後半〜2021年の前半だと考えています。
そして、低下価格になるのは2021年の中盤だと思います。
なぜなら2021年の中盤あたりに5Gが完全体になるからです。
どういうことかというと、2020年の段階では5Gが商用化すると言いながら、実際はまだ4.5G状態です。
話が難しくなるのでこれ以上は掘らないですが、半分4Gを使って、半分5Gを使っている状態です。
そしておそらく2021年になってようやく完全なる5Gが標準化団体によって定められるはずです。(3GPPリリース16と言います)
完全体5Gになると、容量無制限プランが低下価格で提供され始めるようになり、多くの人に普及し容量に制限がないことが当たり前の世界に近づきます。
そうすると当然ですが、動画を観るときに容量を一切気にすることなく、いつでもどこでもYouTubeを観ることできるようになります。
また、観る人だけではなく、動画をアップロードする時間も大幅に短縮されるので、動画を投稿し始める人も増えてきます。
「観る人」と「投稿する人」の両方が爆発的に増えることによって、動画市場は一気に成長してきます。
そのため、少なくとも2020年現在から飽和し始める2025年くらいまでは、確実に市場は広がり続けると考えています。
企業や著名人軍団などの巨大資本が参入してくる
そして、5Gの普及と同時並行で起きるであろう現象は、大きな企業や著名人軍団などの巨大資本がYouTubeに参入してくることです。
これは今まさに現在進行形で起きています。
最近ではロンブー淳やローラ、新しい地図、川口春奈、ヒロミ、宮迫など多くの芸能人がどんどんYouTubeに参入してきています。(一部、芸能界から追放されて島流しに遭った人もいますが)
カジサックや中田敦彦以外の彼らの多くは、まだテレビ中心で活動をして、空いた隙間時間にYouTubeを投稿するというスタイルです。
しかし、おそらくですが時間が経つにつれて、YouTubeの旨味に気が付いてきて、少しずつテレビからYouTubeにシフトしていくと思います。
このYouTubeのメリットは何かというと
- スポンサーがいないためコンテンツ内容が(YouTube規約に反しない限り)完全自由
- 誰でもゴールデンタイムに放送することができる
- 適切な動画時間(尺)で提供することができる
- 需要があるかどうかは”視聴者だけ”が決める
などです。
これらのメリットを並べられると、今テレビで活躍している人も間違いなくYouTubeに魅了されていくと思います。
テレビ局自体もチームを作って、YouTube向けに番組を制作し始めることも近い将来に考えられます。
そして最終的には、民放の需要は世間からほとんど失われ、NHKだけが淡々とニュースを流しているような世界になるかもしれません。
このあたりになると、YouTube戦国時代に突入している感じですね。
一方で、NHKのニュースだけはやはり国営放送として、国民全体へ説得力を持って、経済・政治・国際情勢を伝える媒体としてしばらくは安定して残ると思います。
まとめ
これまでの話で、YouTubeがこれから辿っていく運命や、しばらくは市場が拡大していく理由をお話してきました。
これを受けて、まだYouTubeに参入していない人はどうするべきなのかというと、答えは「すぐにでも始めておいた方がいい」です。
目的は稼ぐためではありません。
もちろん稼ぐに至るまでいけば御の字ですが、それよりも「動画の撮り方」「動画の編集方法」「サムネイルの作成方法」「アップロード方法」「その他チャンネルのカスタマイズ方法」などの一連の流れを知るためです。
やり方がわかっていないと、YouTubeの大波がきたときに完全に出遅れてしまいますし、それどころか勢いに追いつかず参入できないまであります。
また、成長速度は気にしなくていいので、少しずつチャンネルを育てておいた方がいいでしょう。
YouTubeの大波がきたときに、ある程度チャンネルが育っていればサーファーのようにうまくその波の力を使うことができますが、丸腰のまま大波がきたらただ溺れ死ぬだけです。
まずはなんでも良いので1つ動画を撮って投稿してみましょう。
動画は広告費だけが全てではなく、テレビと同じで自分の商品を宣伝するメディアとしても使うことができます。
また、プレミアになると投げ銭機能もありますし、法人案件の獲得、動画マーケティングコンサルなど、様々な角度からお金を稼ぐことができます。
動画は多くの可能性を秘めており、一番の成長分野であることは理解しておきましょう。
それでは最後にもう一度、結論をまとめておきます。
- YouTubeはテレビの歴史を10倍の速さでトーレスしていく
- 5Gの普及により動画を視聴する人および動画をアップロードする人が爆発的に増える
- 巨大資本が参入してくることにより、高品質の動画が求められるようになってくる