数学の超難問ABC予想を解決した望月新一教授を徹底解説!
今回は、つい最近数学の超難問を解決したことでも話題になった、京大出身の異次元の天才、望月新一教授を紹介していこうと思います。
望月教授は、今も京大の数理改正研究所で教授をやっていて、京大関係者なら間違いなく全員が知っている人です。
ABC予想の論文の査読が終わって、一番話題になっていた時期に、ちょうど自分は京大の学生だったので、学内でのその快挙に湧きたつ感じを、実際に肌身に感じました。
北部キャンパスの入り口に、望月教授の講演会を宣伝する看板があったことを覚えています。
その時は、定員があったか、用事があったかどちらかは覚えていないですが、自分は出席することができませんでした。。
一度、直接お話を聴いてみたかったです。
望月教授のことは、名前は知っていても、具体的にどんな人で、どんな功績をあげた人なのかということを知らない人が多いと思うので、今回は望月教授を詳しく深ぼっていきたいと思います。
もうお分かりだとは思いますが、望月教授は小さい頃から天才すぎて、経歴をまとめているだけで楽しいです(笑)。
それでは、望月教授の幼少期からABC予想の解決までを時系列順に紹介していきたいと思います。^^
幼少期〜大学卒業まで
望月教授は、父の仕事の関係でわずか5歳の時に日本を離れて、中学生時代に1年間日本へ戻った以外は、アメリカで育ちます。
望月教授は、少年期はフィリップス・エクセター・アカデミーに2年間在学しました。
フィリップス・エクセター・アカデミー
フィリップス・エクセター・アカデミーというのを初めて聞いた人がいるかもしれないので、簡単に説明しておきます。
大学進学準備を目的としたPrep(Preparatory) Schoolと位置付けられる北米の高等教育機関ですね。
このような教育機関をアメリカでは、ボーディングスクールと言います。
ボーディングスクールでもリーダーシップ育成のための様々な教育プログラムを提供しており、その特色を挙げるとすれば、寮生活は絶対に外せません。
多くの学校が良く言えば自然豊かな、悪く言えば不便な場所にあります。
俗世の喧騒から離れて、教職員と寝食を共にしながら、リベラルアーツを学ぶという伝統がこれらの学校にはあります。
寮は主に2~4人部屋で、他の寮生と掃除やごみ捨て等の役割分担を決め、共同生活を通じて社会性を育みます。
広大なキャンパスには寮をはじめ、校舎、図書館、スポーツ施設など、学校生活に必要なファシリティーが全て揃っています。
学校によっては、演劇場や、最先端の技術を導入したラボなどを設けているところもあります。
このエクセターへの入学は超難関で、テストでトップ・スコアを求められるだけでなく、学生には音楽やアート、体育などでも高いレベルが要求されます。
望月教授が、幼い頃からいかに頭が良かったかがわかりますよね。
最高の教育を受けた望月教授は、高校はわずか2年で卒業して、16歳でプリンストン大学に飛び級で入学します。
プリンストン大学
プリンストン大学は、説明なんていらないかもしれませんが、世界大学ランキングで毎年TOP10に入る、アメリカの超名門大学です。
東大や京大なんて足元にも及びません。
大学は、ニューヨークとフィラデルフィアの間に位置するニュージャージー州のプリンストン市にあります。
緑あふれる場所にキャンパスはあります。キャンパス内にはレガッタ競技ができるほどの大きな湖、広大な草原があります。
そのため、多くの野鳥や動物が共存しており、「動物注意」の看板も多く目にします。
プリンストン大学は、伝統的に理論物理学が強いことで有名です。
プリンストン高等研究所にかつてはアルバート・アインシュタインや湯川秀樹、フォン・ノイマンが在籍していました。
プリンストン大学が発行する「Annals of Mathematics」は数学専門誌のなかの最高峰で、この分野で世界トップ・レベルの研究が進められています。
プリンストン大学が輩出した30〜40人のノーベル賞受賞者(卒業者を含む)のうち、約20人が物理学賞の受賞者となっています。
フェルマーの最終定理を証明したことで著名な数学者であるアンドリュー・ワイルズ教授が現役で教鞭を執っていることで有名です。
プリンストン大学を卒業した有名人は星の数ほどいますが、多くの人が知ってそうなところで言えば、AmazonのCEOであるジョフ・ベゾスや第35第アメリカ大統領のジョン・F・ケネディ、ミシェル・オバマなどです。
23歳でPh.D(博士号)を取得した。ちなみに同大も、これまでに米国大統領やノーベル賞受賞者35人を輩出した名門だ。
大学卒業後
望月教授は、この超名門のプリンストン大学を19歳で学士課程を収めるだけでなく、なんと次席で卒業しています。
プリンストン大学の次席は、もう笑っちゃうくらい異次元ですよね(笑)。
そして、23歳で博士号取得した同じ年に、日本に帰国し、京都大学数理解析研究所の助手になっています。
そして、4年後の27歳の時には助教授となり、32歳という異例の若さで教授に就任しました。
32歳で京大の教授は本当にえげつないですね。
京大の教授は若くても45歳くらいの人が多いので、そのようなすごい人よりもさらに、10年以上早く教授になってることになります。
望月博士の偉大な功績
2019年、望月教授が構築した「宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論」によって、数学の未解決難問であり続けた「ABC予想」が証明され、大きな話題になりました。
はじめに強調しておきたいのは、IUT理論は本来、「ABC予想」を解くためだけに作られたものではないということです。
望月教授が意図したことは、新しい数学のやり方を開発するための壮大な枠組みを作るということでした。
そして、この理論が非常に強力な理論だと証明するための“試金石”が「ABC予想」というだけのことです。
そのため、平たく言ってしまえば、「新しい数学の仕組みを作ったから、ついでにそれを使って超難問の数学を解いてみた」という感じです。
ABC予想ばかりに目が行きがちですが、宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論の構築こそが望月教授の偉大な功績なのです。
このIUT理論に関する論文は、2012年8月30日に、インターネット上で初めて発表しました。
その論文はA4用紙が600ページにもなるボリュームで、世界中の数学者が束になって査読を行いましたが、内容があまりにも難解だったので、査読が完了するのになんと7年半もかかりました。
そして2020年4月3日についに、証明したとする論文が数学専門誌「PRIMS」の特別号に掲載されると決定しました。
アインシュタインにも喩えられる偉業
望月教授が構築したIUT理論は、これまでにない“全く新しい数学”を創造したと言えます。
IUT理論はあまりに独創的で斬新であったので、その内容を正しく理解している数学者は世界でも10人しもいないと言われており、「未来からやってきた論文」と称されます。
このインパクトについては、アインシュタインの一般相対性理論に喩えられることがあります。
アインシュタインの一般相対性理論は、かなり時代を先取りしていたため、提唱された当初はほとんど理解されませんでした。
このIUT理論も似たような現象が起きているということです。
今回は、IUT理論やABC予想に関する詳細には触れませんので、それについては、他の数学の専門家のYouTubeや書籍などを参考にしていただければと思います。
最後に
ここまでで、望月教授の異次元のキャリアと、偉大な功績についてまとめてきました。
幼少期からアメリカで育ったり、アメリカの超有名なボーディングスクールで教育を受けたり、プリンストン大学を次席で卒業したり、32歳で京大の教授になったりと、同じ日本人とは思えないキャリアですよね。。
望月教授本人は、賞レースには微塵も興味はないですが、個人的には、フィールズ賞を受賞して欲しかったですね。
あえてじっくり論文をまとめたと言われてはいますが、40歳という年齢制限がネックになってしまいましたね。
望月教授はまだ50歳ちょっとの若さなので、今後も何か大きな偉業を成し遂げてくれるんじゃないかと思います。
調べてみると、もしかしたら京大生以外でも参加できる望月教授の講演があったりするかもしれないので、特に数学に興味がある人は、ぜひ望月教授に生で御身にかかってみてください^^
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